一級建築士が整理します
「ただ、大切な車を雨風から守りたかっただけなのに。」 ある日、仕事から帰宅すると庭のカーポートに貼られていた、市役所からの「警告」や「是正勧告」の紙。 いわゆる「赤紙」を目にした時の動悸を、私は何度も目にしてきました。「このままでは工事を中止しなければいけないのか?」「罰金はあるのか?」「ご近所にバレてしまうのか?」 そんな不安で夜も眠れなくなるオーナー様を、私は一人でも多く救いたいと思っています。
実は、カーポートは「屋根と柱」がある以上、建築基準法上の**「建築物」**に該当します。
家を建てたときには、敷地に対して建てられる面積の限界(建ぺい率)ギリギリまで計算されていることが多く、後付けのカーポートひとつでその制限をオーバーしてしまうことは珍しくありません。
「業者が大丈夫だと言ったから」
「ホームセンターで安かったから」
「みんなやっているから」
そんな言葉を信じて設置した結果、数年後の行政調査や航空写真によるチェックで指摘される。これはあなたの責任というより、日本の複雑な建築法規が生んだ「不幸なすれ違い」なのです。
「指摘されたけど、そのまま放っておけばいい」というわけにはいきません。違反建築として行政の記録に残ると、以下のような資産価値に関わる実害が発生します。
住宅ローンの借り換えや融資が通らない 金融機関はコンプライアンスを重視します。違反がある状態では、有利なローンへの借り換えや追加融資が受けられません。
家を売りたくても売れない(売却価格の下落) 次の買い手がローンを組めないため、現金一括の買い手を探すか、解体費用分を大幅に値引きせざるを得なくなります。
将来のリフォーム時に確認申請が下りない 家全体の増改築をしようとしても、既存の違反(カーポート等)を是正しない限り、役所からの許可が下りません。
私の仕事は、行政の代わりにあなたを裁くことではありません。 むしろ、行政とあなたの間に立ち、現実的な**「落とし所(着地点)」**を見つけることです。
「全部壊さなきゃいけないの?」と絶望する前に、まずは一度図面を見せてください。
一部を減築(カット)する
屋根の形状や材質を変更する
敷地条件を再計算し、緩和規定を適用する
建築士が介入することで、パニックだった現状が「解決可能なタスク」へと変わります。