一級建築士が整理します
「親の土地の横に、自分の家を建てたい」とても自然な考えです。実際、この相談は少なくありません。しかし、ここでよく誤解されるのが、親の土地 = 自由に建てられるという前提です。現実には、次の確認が必要になります。
建築物は、幅4m以上の道路に2m以上接している必要があります。
・親の敷地は道路に接している
・でも、分筆すると接道しなくなる
・旗竿地になる
こうしたケースでは、建築できない可能性があります。
親の土地を一部使う場合、
・分筆が可能か
・最低敷地面積を満たすか
・用途地域の制限はどうか
を確認する必要があります。
自治体によっては、最低敷地面積(例:150㎡など)の制限があることもあります。
古くからある土地の場合、
・現在の建築基準法に適合していない
・既存不適格
・再建築不可
というケースもあります。「今建物がある」=「新しく建てられる」ではありません。
都市計画区域によっては、
・市街化調整区域
・原則建築不可
・許可制
というケースもあります。
親の土地でも、誰でも自由に建てられるわけではありません。
よくあるのが、
・共有名義
・相続未登記
・贈与税の問題
・地役権の設定
建築と同時に、法律・税務の整理も必要になります。
家づくりの設計に入る前に、
・現況調査
・法的調査(建築基準法・都市計画法)
・接道確認
・分筆可否の整理
・行政との事前協議
・測量士/司法書士との連携
・建築可能範囲の整理
を行います。
「どう建てるか」ではなく、まず「建てられるか」を確認します。
親の土地だから安心、ではありません。でも事前に整理すれば、ほとんどの問題は“対処可能”です。家づくりは設計から始まるのではなく、土地の法的整理から始まります。