一級建築士が整理します
― 開業直前で止まらないために、最初に整理しておくべきポイント ―
「以前は飲食店だったから、福祉施設にしても問題ないと思っていた」
これは、実際に多く寄せられるご相談のひとつです。
話を伺うと、
以前は飲食店として使われていた建物
テナントとして借りて福祉施設を開業予定
大規模な建替えはせず、内装工事のみの想定
という状況でした。
しかし、開業準備を進める中で、
県の福祉課から指摘を受けた
指摘内容がよく分からない
開業直前に消防から止められてしまった
という状態に陥っていました。
飲食店から福祉施設へと用途が変わる場合、建物の使われ方そのものが変わるため、求められる基準も大きく変わります。
関係してくるのは、建築基準法だけではありません。
消防法
各自治体の条例
建物の規模・構造
入居する福祉施設の内容(利用者の特性など)
これらが複合的に関係します。
そのため、
「内装工事だけのつもりだった」
「以前の用途が飲食店だったから大丈夫だと思っていた」
という前提で進めてしまうと、あとから行政指導が入り、計画の見直しや手戻りが発生するケースがあります。
福祉施設の用途変更で特に多いのが、計画の初期段階での確認不足です。
用途変更が必要かどうかを判断しないまま進めてしまう
行政との事前協議を後回しにしてしまう
必要な図面や書類を把握しないまま工事に入ってしまう
結果として、
工事のやり直し
開業時期の延期
精神的・金銭的な負担の増大
につながってしまいます。
建築士が最初に行うのは、「できる・できない」を即断することではありません。
まず行うのは、次のような整理です。
このケースで用途変更が必要かどうか
関係する法律・条例は何か
どの行政機関と、どの順番で確認すべきか
今回のご相談でも、
用途変更の要否の判断
必要な手続きの全体像の整理
行政との事前協議
申請に必要な図面の作成
を一つずつ進めながら、「どうすれば福祉施設として使えるか」を現実的に組み立てていきました。
用途変更や許可の話は、知らないまま進めると、あとから大きな負担になります。
だからこそ、
まだ計画が固まっていない段階
内装工事を考え始めた段階
で、一度立ち止まって整理することが、結果的にいちばん近道になることも少なくありません。
飲食店だった建物を福祉施設に変更したい
用途変更が必要か分からない
行政や消防から指摘を受けて戸惑っている
開業前に一度、進め方を整理したい
※本記事は、特定の事業者や団体を非難する目的ではなく、実際に寄せられる相談内容をもとに構成しています。